01/12/30(星期日)

台湾東岸をバスの旅

 朝、ホテルをチェックアウトし近くの食堂で牛肉の餃子スープを朝食として食べた。名前は忘れた。

 

朝食

 

 この後、昨日調べておいたバスターミナルへ向かった。バスターミナルは昔の台東車站の両側に2つある。ちなみに、駅前は公園のようにして整備されており駅舎もそのまま残っているようだった。

 

整備されている台東旧站前。奥の建物が旧駅舎

 

 そもそもなぜバスで花蓮へ行こうとしたか。台東−花蓮は約200km弱。交通手段としては鉄道とバス(山線と海線)がある。鉄道とバスの山線は山の中の田園を通る道で退屈そう。そしてバスにはもう一つバスの海線というのがあり、台湾東岸の海岸線に沿った道だ。こちらは景色が良さそうだし是非こちらで行きたいと考えたのだ。バスターミナルで調べると直接花蓮まで行くバスは10時頃までない。どうやらガイドブックによると途中の成功で乗り換えれば大丈夫という事が分かった。成功までならたくさん本数もある。後から分かったのだが海線の台東−花蓮間で最も大きいのは成功なので乗り換えるならここだろう。というわけで静浦行きの鼎東客運バスに乗り込み成功まで向かうことにした。

 道はリアス式海岸に沿うように続き右側は断崖の下に海岸、左は山が開けた景色が続く。降りてちょっとゆっくりしたいと思わせるような景色もあったが、さすがにバスを降りる勇気はなかった。北海道の田舎のように家が少なく大自然に囲まれた環境だ。こうして、1時間半ほどして成功の街へ到着した。

 

成功の街並み 

 

 街と言ってもかなり小さい。写真にあるのがメインストリートで15分も歩けば何もなくなってしまう。今回の旅行で訪れた街の中では最も小さかったと思う。ガイドブックによると花蓮客運バスが花蓮まであるはずなのだがそのバス停が見あたらない。まあ、最悪乗ってきたのと同じ鼎東客運でも2時間ほど後にあるからいいやと考え辺りを散策することにした。花蓮側の海の方へ歩くと海浜公園が見えてきた。なかなかの絶景だし人は居ないがきれいに整備されていた。しかし、日曜日でも人が居ないのならおそらく年中静かなのだろう。

 

美しい海[左]    整備された海浜公園 人がいない[右]

 

 この後街へ戻る。行きに乗ってきた鼎東客運は街の入口(台東側通りの山側)と街の出口(花蓮側通りの海側)にバス停がある。最初降りた花蓮側海側のバス停付近でもう一度花蓮客運のバス停について尋ねたが分からなかった。このため台東側の鼎東客運のバス停まで歩いて探すことにしたが見つからなかった。あきらめ、この停留所でバスのチケットを買うことにした。ここは売店でおばあさんが番をしているが、バスのチケットの販売所もかねている。おばあさんは結構日本語ができた。まだ出発までに1時間ほどあったので食事に行ってくるといい近くの食堂を探した。すると、花蓮客運のバス停が見つかった。今さら遅いし適当なバスもない。場所は台東側通り山側の鼎東客運のチケット販売所から少し花蓮側に歩いたところで通りの海側にある。いずれにしても昼食というわけで食堂へ入った。ここは、昼は自助餐で適当におかずを取って食べる形式。ある意味こちらの方が一人旅には向いている。しかし、疲れのためかいまいち食欲はないのだが…。

 

昼飯の自助餐 一皿+ご飯で70元(約280円)

 

 ここの客のおばちゃん(本当は近くの花屋で働いているらしい。)、片言の日本語を話すのだが、日本からの珍客が珍しいのかいろいろかまってくれる。いろいろ話をした。「今話したの分かる?台語(台湾語)よ。」どうやらこの人たちは台湾語を日常語としているようだった。成功の街は少数民族の割合が高いとガイドブックにはあるが。「国語(北京語)のニイハオは台語のリーホウでしょ?」と聞いてみると日本人が台湾語を話しているとうけていた。そういえば若い従業員の国語の発音がおかしくて一同大笑いする場面があった。十(shi2)の声調を間違えたようだった。まあ、国語(北京語)に対しては声調を間違えるぐらいなじみが薄いのだろう。1時間近く居座って最後に帰ろうとしたところおじいさんに声をかけられた。日本教育を受けた人のようで完璧な日本語だった。

 こうして、食堂を後にしバス停へ向かった。バス停では別のバスを待つ母子がいた。すると一台のバスが行き過ぎた。その母親が僕にどこへ行くんだ?と聞く。花蓮と答えると、ひょっとすると今行ったのがそうかもしれないと切符売りのおばあさんに尋ねてくれた。結局通り過ぎたバスは違うバスであった。バスはまだだから停留所向かい側でバスが来たら手を挙げるように言われた。そして、実際バスが近づくとおばあさんは「来たよ!」教えてくれ、運転手にも日本人客だから花蓮までよろしくと世話を焼いてくれた。おばあさんにお礼を言い、バスは発車した。台湾の人は親切な人が多いと思う。日本だったらバス停で知らない人が待っていたって何も構わないだろう。

 街の花蓮側のバス停に到着すると発車時間まで5分停車と言うことになった。ダイヤ通りなら15分、この日の場合10分遅れていて5分ここで停車するようだ。このバスは台東発花蓮行きの直通なのでここでトイレ休憩と言うことらしい。そうでなければバスにトイレはないし、台東から花蓮まで4時間あまりトイレに行くことはできない。最初から最後まで乗る人などあまりいないだろうからもしこの移動をしたいという人がいたら注意した方がいいと思う。途中成功以外に大きな街はない。

 バスは海岸線に沿ってひたすら北上する。途中、結構乗降客がある。200km近くを結ぶとはいっても庶民の足であることには違いがないようだ。バスの車内のテレビでは演歌のカラオケ(もちろん中国語)が再生されていた。景色がいいところが多いが結構ワインディングロードが多いので乗り物に弱い人には向かないかもしれない。台湾の田舎ののどかな雰囲気を楽しみながらのんびりバスの旅を楽しむのも悪くはない。こうして2時間半あまりで花蓮駅へ到着した。ここも、旧站と新站が過去にあり、今は新站のみが使われている。

 

花蓮駅

 

 バスを降りたのは新站前だったが、台東のように何もないわけではなく結構街中だ。近くにホテルもあり、仟大大飯店で泊まることにした。バスタブのある部屋は1200元だといわれたが、1000元に負けてもらえた。

 この後バスに乗って旧站付近の繁華街へ向かった。夜市もあったがあまり大きくはなかった。食堂へ入り、ガチョウ肉の麺を食べた。

 

ガチョウを使った麺

 

 さすがにバスの移動で疲れたのでホテルに戻り、早めに休むことにした。明日はいよいよ台北へ戻る。