00/6/27(火)

頤和園、清華大学、故宮へ

朝のランニング

 今日はタイの華僑で王菲のファンと言うことで知り合った知人のTさんと頤和園に行く約束にしていた。というか、前日に電話をしてそう取り決めたのだが。9時に清華大学の西門でという約束だったので、8時ごろホテルを出て地下鉄の駅へ向かった。地下鉄の環状線に乗ってまず、西直門へ向かった。ちょうど円の反対側にあるため30分ぐらいかかって、東直門でタクシーを拾ったのは8:30ぐらいだった。
 ところがである。見事に北京の朝のラッシュにひっかかり車は渋滞に巻き込まれてしまう。ちょっと中心を離れると工事しているところも多くてさらに渋滞をひどいものにしているのだ。時間は刻々と過ぎ、9:00過ぎにあきらめてタクシーを降り走ることにする。
 タクシーの運転手に現在地と方向は尋ねてあったので清華大学の東門は比較的簡単にたどり着けた。(と言っても1-2kmぐらい走ったと思うが。)門をくぐり早速歩いている中国人に道を尋ねる。

「請問!到清華大学的西門怎麼走a?(ちょっとお聞きしますが清華大学の西門へはどうやっていけばいいですか?)」
(指を指して説明してくれる。)
「離這児 遠不遠?(ここから遠いですか?)」
「遠(遠い。)」
「大概要多少時間?(どのくらいかかるでしょうか?)」
「20分鐘」

 中国人に遠いと言われたときは目の前が真っ暗になった。仮に二十分後となれば9:40分。約束の時間から40分遅れということになる。しかし僕にはただ走ることしか出来なかった。1kmばかり走るとタクシーの空車が来た。学内で渋滞もないので乗ろうと呼び止め乗り込む。

「清華大学的西門!」
「はあ?」

 普通学内移動にタクシーを使う人はいないわな。しかし、運転手さんは汗まみれではあはあ言っている僕を気の毒に思ったのかエアコンを全開にしてくれた。運転手さんには「北京は何でも大きすぎるよ。」などと話した。
 約1kmも走ると西門に到着した。もう駄目かなあと思いつつ、車を降りて走っていくと、Tさんは、まだ待っていてくれたのだった。Tさんとは1年半ぶりに会うのだが簡単にわかった。25分遅れだけど…。結局英語で謝り倒して水をがぶがぶ飲んだ。もうふらふら。暑い北京はとうに30度を超えてそうで、太陽はぎらぎらしている。Tさんも「大丈夫?すごい汗」と気遣ってくれる。「東門から走ってきたんだ。」というと「東門から西門まで?」と信じられない様子だった。
 こうして無事会うことが出来て二人でタクシーに乗って頤和園へ向かった。しかし、清華大学は広かった。

頤和園

 頤和園も広かった。中心に大きな湖があるが対岸まで庭園だというから信じられない。Tさんは冬になると湖面が凍って皆スケートを楽しむんだと教えてくれた。


頤和園にある京劇の劇場。西太后は京劇好きだったとか[左]  非常に広大霞んでいる対岸まで庭園[右]

 「西太后が財を投じて整備したんだけど、そんなことしてたから清は日本に戦争で負けたんだよね。」とTさんに話すとよく歴史知ってるねという返事。Tさんはタイの華僑だから中国の歴史には疎いのかもしれない。実際、中国語を勉強しに北京へ留学しているのだし。広い庭園内をあちこちまわり(といっても全体のほんの一部に過ぎないはずだが)その後Tさんがいる清華大学の外国人寮へ向かう。

 前日の電話で知ったのだが、Tさんは今日タイへ帰る日でもあるのだ。忙しいからいいよと言ったのだが結局付き合ってもらうことになってしまったのだ。1年いる予定が3ヶ月で帰るということで、多額の押金(デポジット)を返してもらっているようだった。
 ここでTさんの友人の香港人(名前を知らないのでAさんとします。)と会い、皆一緒に昼食を摂りに行くこととなった。向かう先は学内のレストランだ。中国の大学というのは恵まれていて学内に何でもそろっている。スーパーマーケット、レストラン(食堂ではない)、…。ほとんど一つの街だ。
 僕は北京ダックを食べたことがないということで、これがメインとなった。みなそれぞれのカメラで料理を囲んでの記念撮影となった。


いろいろな料理を囲んで

 Aさんはひょうきんな人で冗談ばっかり言っている。しかも、僕に対してもぜんぶ北京語で話してくるのだ。もちろん香港人なので英語もそれなりだと思うのだが。ちなみにTさんは英語。でも、Aさんの北京語はそんなにうまくないためかゆっくりなので、それなりに理解することが出来てうれしい。僕も、広東語で多少おどけてみると、二人も”いただきます”と日本語で挨拶をして食べ始めた。

 こうしてAさんとTさんとは別れ、学内でタクシーを拾って故宮へ向かうことにした。

故宮へ

 タクシーの運転手に”Gu4 gong3”というと"Gu4 gong1(故宮)"と声調を直された。
 しかし、故宮(紫禁城)はむちゃくちゃ大きく広大で、日本人からすれば目が回るほどだ。しかも、現代建築ではなく、遠い昔に建設されたのだから、そのすごさというのは想像を絶するものがある。中国の皇帝の権力は相当なもんだったんだなと感慨にふけった。


巨大な故宮。これは入り口付近

 あまりに暑かったので休憩所で休むこととする。そこにいた服務員のおばちゃんとちょっと話してだべることにした。
 故宮などは西洋人も多く日本でいえば京都、奈良あたりと雰囲気が似ている面がある。こういった外国人が多いところだと怪しい奴が声をかけてきたりする。実際僕も持っているガイドブックで日本人と見破られ、日本語で声をかけてくる輩もいた。大体において中国で日本語で話し掛けてくる奴はろくな奴がいない。適当に中国語であしらっているとあきらめて退散していった。
 その後歩いて天安門まで行くことにした。昨日来たのは夜だったので、昼間の天安門も知りたかったからだ。


やっぱり巨大な天安門広場。50万人を収容できるとかちなみに天安門の西と東では地下鉄駅が違う。

 昨日は長城登りで今日は清華大学マラソンとハードで結構疲れていたのでホテルに戻って一休みすることとする。その後、昨日は王府井だったので今日は西単かなと勝手に考え、地下鉄でむかう。はってある路線マップでは地下鉄一号線で行けそうなので、ついに開通したのかなと思って乗っていると、天安門西でとまってしまう。なんとなく放送で”再見”と言った気がしたので不審に思って降りて係員に聞く。

「小姐!請問。這tang車去西単ma?(すみません。ちょっとお尋ねしますがこの列車は西単へ行きますか?)」

 結局返ってきた答えは、行かない。上へ登って公共汽車(バス)で行きなさい。と言うことだった。やられた…。


夜景も美しい夕暮れの西単

 そこで言われた通り上へ行ってバスに乗る。このバスワンマンで、バス停の案内も英語と中国語であって感心した。どこで降りるかわかるかなと思ったけど、無事西単で降りることが出来たた。西単も王府井程ではないが綺麗な繁華街であった。

 その後、ショッピングセンター内にある食堂で適当に夕食を食べたがあまりおいしくなかった…。


なんとなくいまいちだった夕飯

 このままタクシーでホテルに戻って今日はおしまい…。