98/12/30(水)

澳門(マカオ)へ

 この日は、少し朝早目に起きて澳門へ行くことにした。澳門といえば最近マフィア同士の対立が激化して香港でも連日のように銃撃戦があり負傷者が出たというようなニュースが取り上げられていてちょっと恐い気もしたが、来年1999年12月20日には中国への返還が決まっており、400年に及ぶポルトガル支配に終止符を打つことになっている。このためどうしても行っておきたかったのである。
 MTRに乗って上環のフェリーターミナルに向かう。船は乗ったことがないジェットフォイルにした。約1時間で澳門に到着した。まず、タクシーに乗って議事亭前地(セナド広場)に向かった。澳門は、香港の目と鼻の先に位置し、同じく広東人の街であるが、明らかに街のたたずまいは香港とは違っている。街は落ち着いていて香港のような喧騒はない。街並みは西洋的な建築物が多く、石畳の坂道とあいまってアジアであることを忘れさせるような光景のところもある。香港の喧騒に疲れたらぜひここに寄るとよいのではないだろうか。人々も香港よりはちょっとだけ素朴な気がするし。


議事亭前地(セナド広場) East meets west.を感じる風景でもある。

 議事亭前地では、名物の義順の牛乳プリンとバナナジュースを頼む。おいしかった。勘定というと26蚊というので広東語で数えて出すとウエイターにうけた。日本人かと聞くのでそうだと答えた。


名物の義順の牛乳プリン。なかなかおいしかった。香港にも支店があるとか。

 まずは、大炮台城塁(モンテの砦)へ向かう。ここに開館したばかりの澳門博物館もあったので入る。歴史などについてオブジェがうまく陳列されていてなかなかよい。驚いたのは、英語の"Tea"は中国語方言の一つ福建語の茶に由来すること、そして、日本語は広東語の茶、さらには東南アジアの各国語でも茶のことを広東語由来のチャと呼ぶ事である。結局のところ世界中で使われている茶という意味の単語のほとんどは中国語の福建語あるいは広東語に由来するということ。中国人は古来から商売の才に長けていたので、このように中国語に由来する言葉が世界で使われるに至ったのだろう。
 博物館を後にし澳門のシンボル大三巴牌坊(聖ポール天主堂跡)へ向かう。マカオは道が狭くグネグネ曲がっており、また、坂道が多いので見通しが利かず迷ったが何とか見つけた。


大炮台城塁(モンテの砦)[左] 澳門のシンボル大三巴牌坊(聖ポール天主堂跡)[右]

 この後、フェリーターミナルまでバスで戻り、香港へ帰った。しかし、マカオのバス路線というのは凄く入り組んでいて、しまいには自分がどっちの方角に走っているか分からなくなるくらいである。
 香港に着いてパスポートを眺めると、また、3ヶ月滞在できるように更新されている。ということは、3ヶ月に1回マカオに抜けると永遠に香港にいられるではないか。
 夜は旺角の辺りをうろついて、映画のVCDをしこたま仕入れたが割愛いたします。