98/12/28(月)

長洲島を再訪問

 今年5月の旅行で、西灣への渡しに乗りそこねた僕だが、印象的だったあのきれいな長洲島へもう一度行くことにした。中環のフェリーターミナルから1等席に乗り込む。一般席は空調が効かないので、夏は止めた方がいいが、この季節なら、別に1等でなくてもいいかもしれない。実際、今回、一般席に乗っている人も多く見受けられた。
 島に着くと、とりあえず朝飯ということでそこらをうろついて食堂に入る。おばちゃんに「有モウ雲呑麺」といって書き下した紙を見せるとあるようであった。出てきた麺はぷりぷりっとしたワンタンが入っていて安くておいしかった。
 市場の建物のトイレに行くも、おやじが既に待っている。いつまで経っても占拠されたまま。おやじが広東語でしゃべりかけてきたが、広東語ができないんだと広東語で答える。(変な話だ)どうやら4何とかといっているようなので、紙に4分待っているのか?と書くと20分との事だった。多分四個字といったんだろうな、後から考えれば。
 用を足して、渡し舟が出る埠頭へ行くと今回はすんなり見つかった。渡し舟のおやじが言っている広東語は分からなかったが、私が西灣に行きたいことはなんとか広東語で伝え、船に乗り込んだ。2元5角と書いてあったので払った。


渡し舟の中から。船は凄くぼろかった。

 向かいに奇妙な取り合わせのカップルがいた。女は中年の香港人、男は60ぐらいの白人である。女の方に、広東語で話し掛けられたが、広東語で広東語はできないと答えた。どうにも気になるし、英語で話しているようなので、英語で話しかけてみる。女はちょっと驚いた感じで、あなた英語しゃべっているの?と聞かれた。僕がしゃべるのはそんなに変なのかな…。結局女はガイドで、男はオーストラリア人観光客であった。男が、休み中なのかと聞くので、そうだと答える。休みの長さはと聞くので10日ぐらいだと答えると、私は40日だと返ってきた。あれま、スケールが違うがね。
 西灣に着き張保仔洞に向かう。すごく混んでいるし、なんだか険しそう。暗くて狭いのはいやなのでやめる。


洞窟の前の通路から海を望む

 この後、天后廟などを見た後、また渡しに乗って、長洲の中心へ戻る。昼食を食べようとして気づくのだが、どこかで筆談用のペンを落としたらしい。コンビニにも売ってない。とりあえず、昼食を食べようと、一軒の食堂に入った。最初、広東語で話していたが、簡単な応対しか分からない。メニューはと聞かれて、英語でも書いてあったので、英語で答えると、ウエイターの動作が一瞬止まった。しかし、すぐに、英語で確認してきた。どうやら、僕が英語を使うのは相当変らしい...。凄い量の炒飯だった。6割食べたとこで苦しいのでギブアップ。食堂を後にして、文房具屋を探して街の通りを歩く。街の通りといっても”いわゆる自動車”が走っていない島だから、道も本当に狭いのだが。確か、タルトを売っているパン屋もあると聞いていたが、残念ながら、見つけられなかった。やっとのことで文房具屋を探し当てる。しかし、これがまたかわいいのしか売っていないのである。まあ、考えてみれば、こんな小さな島で文房具を買うのは学生である子供が中心だろうから仕方がないのだろうけど。ボールペンを2本買って店を後にした。
 そして、美しい海岸、東灣に行くことにする。今回は、それなりに人もいたが、美しさは相変わらずであった。


美しい東灣

 こうして、一通り回った後、帰ることにする。長洲埠頭に戻ると、ホバークラフトが時間的に都合がいいようなので乗ることにする。ゲートの前で待っていると今度は白人が英語で尋ねてきた。ゲートが閉まっているのはなぜかというので、まだ20分あるからではないかと答えると礼を言ってどこかへ行ってしまった。普通のフェリーの1等より高いが、速くて快適であった。所用時間は普通のフェリーの約半分で30分強であった。でもシートベルトを締めなさいとのこと。船でシートベルトをしたのは初めてだ。


ホバークラフト船内

香港島側をブラブラ

 船を降りるとまず、MTRで上環へ向かった。文華里の印鑑屋へ向かうためである。結局、以前niftyで教えていただいた聖文軒印務圖章へ出向く。サンプルを見せてもらって判の大きさを決める。そして、材質だが、僕の場合2文字で、石が200ドル、水牛が300ドルそして象牙が400ドルだった。象牙はやばいだろうと思い、日本でもよく使われる水牛に決めた。次の日には出来上がるとのことだった。
 MTRに戻って、中環へ向かい、行人電動樓梯(ヒルサイドエスカレータ)を探す。これは、映画「重慶森林(邦題 恋する惑星)」で金城武や王菲が登ったエスカレータといえば、この映画を見たことがある人はすぐに分かると思う。前長は800mで世界最長のエスカレータだとか。しかし、金城ゴッコ、フェイゴッコをしている人は意外と多い気がした。(いえ、ここに来ている観光客が全て映画を思い出して来ているわけではないと思うけど。)途中で何度か引き返そうかとも思ったが、結局最後まで登ってしまった。


中環にある行人電動樓梯。日本でもヒットした映画「重慶森林」の舞台の一つでもあった。

王菲のコンサートへ

 ホテルに戻って仕切り直した後、この旅行のメインイベントでもある王菲のコンサートのため、香港體育館(香港コロシアム)へ向かった。尖沙咀までMTRで向かい、そこから歩いて向かう。途中CITIBANKの尖沙咀でお金を下ろそうとするのだが、カードを通しても扉が開かない。中から人が出てきたので事無きを得たが...。コロシアムへはずいぶん早く着いてしまった。どうやら当日券も売っているようである。ちなみにトイレは赤サイドの外側にあった。当初外にはないのかと思って焦ったが...。
 ゲートが開き中に入った。かなり大きな会場で3万人ぐらいは入りそうだ。香港ではよくあることだが、中は空調が効きすぎて寒い。中の通路は複雑で道に迷いそうだ。フェイは女性歌手だが観客に若い女性が多いのが目に付く。ちなみに隣の観客は同じく日本人であった。
 舞台はちょうど四方どこから見ても対称であり、かなり凝った舞台である。どうやら、日本人も舞台設計などに参加しているようであった。
 1曲目、最新の北京語アルバム「唱遊(邦題 歌遊び)」の「感情生活」を歌いながらフェイが舞台に現れる。前から5列目ということで、彼女の表情もよく見えた。歌声は非常にきれいであっという間に2時間半は過ぎていった。母になったことをアピールするように娘と旦那との映像を流したりするシーンもあった。生で聞けて本当によかった。3月の日本武道館でのコンサートもうまく行くといいんだけどな。