2004年12月31日

寒中桂林観光

 朝起きて荷物をまとめる。もし居心地がよければ二泊しようと思っていたのだが、暖房は切れるし、NHKも見られない。そのくせ300元は結構高いと感じたからだ。これまでに桂林では三カ所に泊まったわけだが、一番よかったと感じた環球大酒店にもう一度泊まろうという気になっていた。前回名刺を渡されて、再度泊まる際は安くしてくれる約束もあるし。チェックアウトしてタクシーに乗って環球大酒店へ向かった。フロントで前回のいきさつを名刺を添えて伝えて値引きをお願いすると、「いくらが希望?」と逆に聞かれた。「よく分からないけど。」と曖昧な返事をすると、「260元でどう?」ということになり、それでOKする事にした。ちなみにこの時期の割引価格が330元(前回宿泊時)である。こんな事なら最初から環球大酒店に二泊しとけばよかったのと、ちょっと後悔する。部屋は開いていて、朝だったがチェックイン(中国では普通だが。)した。荷物を部屋に置いて市内観光に出かけることにした。
 まずは解放橋を渡ったところにある七星公園に向かうことにする。バスで一区間なのでわざわざタクシーに乗るほどでもなく、バスで向かう。結果的には歩ける距離だった。
 入口を探してそちらへ向かうとおばさんが寄ってきて「入場券まだ買ってないなら要らない?入り口で売っているのより安いよ。」との事。あとで分かったのだがこの女性は入り口横で食堂をやっているおばさんで、副業で旅行社の客引きをやっているようだった。だったら、割引チケットを買おうと考えて彼女について行くことにする。彼女は近くの旅行社へ案内した。旅行社でチケットを購入。どうやら旅行社などにおろしている割引チケットがあるようだ。実はこれが後々トラブルとなるのだが。
 割引チケットを手に入場する。もちろん何の問題もなく入場できた。 園内はがらがら。こう寒くては観光どころではないのか。あるいは、入場料がこう高くては(詳細は失念したが、七星岩鍾乳洞の入場料を含めて60-70元の覚え。日本円にすると1000円近い。)わざわざこんなところには来ないのかもしれない。


七星公園内の景色[左] 毛沢東思想万歳の石碑[右]

 園内に毛沢東主義万歳の石碑が建っていたので思わず写真を撮る。陽朔で出会った上海からの旅行者は、毛沢東は頭がおかしいと言っていたっけ。園内は広かった。七星鍾乳洞との連票(共通チケット)だったので、最初に鍾乳洞の方へ向かうことにする。園内の広場では太極拳をする人がいるかと思えば、結婚記念の写真撮影をするカップルもいた。


太極拳をする桂林人民[左] 結婚記念撮影[右]

 で、洞窟の前に到着したが、チケットを見せると待てと言う。しばらく待ったのだが、入れそうにないので先に別の場所を回ることにする。
 相変わらず寒いし、大したものを食べていなかったので、公園内の食堂に向かう。ところがレストランは11時からだという。まいったなあと隣に軽食店があるのを見つけ、そこで桂林ビーフンを食べた。どれだけだというので1両と答えたのだが、考えてみれば50gだから少なすぎたかな。


桂林米粉(ビーフン)

 奥には動物園もあってここも同じチケットで入れるようだった。あまり動物園に興味があるわけでもないのだが、パンダがいるなら見てみるかと言うことで探すとパンダ館もあった。パンダ館へ行くと奥の方で寝ているのが見えるだけだった。


人民服務の桂林パンダ

 ずいぶん時間もたったし、洞窟まで戻って再度入場を試みる。が。。。だめのようである。詳細を尋ねると停電しているのだという。中は真っ暗だから入れないというのだ。どうも今回は停電に悩まされる。別の団体もやってきたが、彼らもあきらめて洞窟入り口を後にした。ガイドブックによると中はかなり長いようだし埒があかない。あきらめて自分も公園を後にすることにした。しかし、中にいるときに停電したらたまらないだろうな。


七星鍾乳洞@停電中

 先にも書いたが買ったのは別料金である鍾乳洞を含んだ入場券だ。鍾乳洞の分を払い戻せるか公園で聞いてみたが、買ったところで相談(商量)してくれとのこと。割引券だからだろう。”商量(相談の意味の中国語)”にいやな予感を感じたが、とりあえず買った旅行社に事情を話した。この後すったもんだ。というのも、チケットを卸したところ、旅行社、客引きとともにマージンを取って売っているわけでややこしそうだ。結局10元返してくれた。結果的にはこれでは正規の入場券を買った方が安かったことになるのだが、これ以上くだらないことで時間を失うことも悔しい。まさに時は金なりだ。
 で、タクシーに乗って像山公園に言ってくれと言うと、そこはおもしろくないよとの運転手の弁。結局、独秀峰へ向かってもらうことにする。独秀峰は広西師範大学内にあるのだが、どうやら靖江王府博物館とセットになっているよう。入場券を買い求めるとなんと50元もする(約600円)。ちなみに桂林でタクシーに七回乗れる金額。路線バスなら50回乗れる。間違っている気がする。
 チケットを見せて入場すると、三人一グループにされてガイドがついた。ガイドはいろいろ説明してくれるが、さすがにほとんど聞き取れない。途中で私が日本人と気づいてガイドは「私ここではもっとも早口のガイドなの。英語のガイドサービスもあったに」とのこと。こうして博物館などを一通り回る。といっても大したものがあるわけではないのだが。その後、独秀峰のふもとで解散。まあせっかくなので登ってみることにする。


独秀峰[左] 独秀峰上から見下ろす桂林市内[右]

 また、先ほどのガイドが説明してくれたのだが、独秀峰には石板が埋め込まれていて、有名な「桂林山水甲天下」の句も確認できる。


この解像度では苦しいが左から三行目に桂林山水甲天下の字

 ここから入口まで戻ろうとするのだが、ガイドに連れられて博物館の中を回って辿り着いたため帰り道がよく分からない。そもそもガイドに連れられた順路は一方通行でもあるし、ガイド同伴でないと通してくれない。このため同じルートを戻ることは不可能。結局道に回ってキャンパス内をしばらく彷徨った。要するに裏を返せば、ガイドも靖江王府博物館にも用がなければ、わざわざ50元払わなくても独秀峰は見学できるようである。
 やっとの事で入口まで戻り、さらに市内に戻った。そしてなんとケンタッキーで昼食をすませた。
 一息ついてまたタクシーに乗って次なる目的地に向かうことにする。畳彩山と告げるとあそこはおもしろくないと、この運転手も自分の主観を曰う。結局ガイドブックを見せると象山公園がいいと言うことになった。さっきの運転手はおもしろくないと言ったんだが。で、気を取り直して象山公園へ向かった。ここも小高い山になっている。


象鼻山[左] と山頂から見た桂林市内の風景。背後を奇岩がとりまく[右]

 ここで小高い山に登るのは、七星公園、独秀峰、象鼻山と3つめだ。いい加減疲れてくる。山頂には明代普賢塔がある。


明代普賢塔

 そしてクライマックスは象鼻山と名が付いた由来でもあり、桂林のシンボル的景色でもあるこの景色だ。


桂林のシンボル的景色である象鼻山の風景

 一通り回ってさすがに疲れた。時間的にはまだ一つくらい回れそうだが小高い丘も3つ登るのには体力がいる。結局タクシーに乗ってホテルに戻ることにした。

 残念ながらカメラを持ってでなかったので写真がないが、夕食は解放東路沿いのフードコートですませた。ここは注文カードを持って各コーナーへ客の方が行き、気に入ったものがあればカードを渡して注文する。そのとき客のテーブル番号が控えられるので、料理ができあがると客席まで運んできてくれる仕組みだ。サンプルもたくさん展示してあって、私のような食に疎いものには便利だった。あまりおなかの調子がよくなかったので、軽く麺や果物などを食べた。

 夕食後また今日もデパートに寄ったりした後にホテルに戻った。ここで目算違いが一つ。NHKは入るのだがNHKワールドチャンネルでは生で紅白を放映しないようなのだ。さらに、そのチャンネルもトラブルで映らなくなってしまった。あほらしくなってきて早く寝ることにした。明日は朝の便で広州へ向かうためにそうゆっくりはしてられないのだった。