2004年12月30日

寒中陽朔観光

 朝起きてチェックアウトして荷物を預かってもらって外出する。こぢんまりしたホテルなので荷物を預けても預かり証をくれなかった。大丈夫だという服務員の言葉に多少不安を感じながらもホテルを後にした(結局問題なかったが)。
 洋人街に向かうとフランス式だのアメリカ式だの朝食のセットメニューが書き出されていたので注文した。奥なら火鉢があるよというので、相席して火鉢を囲むことにする。相席したのは上海から一人で来た(職場は上海だが戸籍は違うらしい。)私と同い年の男性で、英語もうまかった。奥さんはオーストラリア、ご自身はカナダの外資系企業に勤めていて奥さんの方が給料がいいとのこと。出で立ち、話す内容も、いかにも外資系企業で働くホワイトカラーといった感じの方だった。彼は英語にしろ中国語にしろ早口でなかなか聞き取りにくかったが、ついつい話し込んでしまった(85%北京語 15%英語くらい)。どうも今回は上海で働くホワイトカラーと縁がある旅行のようだ。「昔の世代とは違って自分は日本に対してわだかまりはない。昔は戦争があったから。」と彼が話してくれたのが印象的だった。話はとりとめもなく続いた。自分は漢族だという服務員の若い女性に「本当は何族なんだ?」と冷やかしたり(実際ベトナム人かと思うような南方系の顔立ち)もした。「中国人の女性は純粋だからつきあいやすいかもよ。」なんて話も出た。まあ、奥さんである上海人のインテリには当てはまらないのかもしれないが。
 とりとめもない話を火にあたりながらしていたら、時刻は11時になってしまった。彼は寒いし小雨も降るので観光をする気はないらしい。さすがに観光に行こうと彼に別れを告げ店を後にした。
 向かったのは山水園。ところがガイドブックの地図がいい加減で入り口がどこにあるか分からない。迷ったあげくにバイタクを見つけて向かうことに。結果的には洋人街を奥に突き当たり右に曲がったところが入り口で、朝食を摂ったレストランからもほど近い場所だったのだ。ガイドブック編集者の神経を疑いたくなる…。
 山水園は30元もとるのだが、中はがらがら、結局誰も入場者を見なかった覚えだ。寒いし雨だし高いしと三重苦だから致し方がないのか。
 公園から眺める漓江は確かに景色がよいのだが、30元(約400円)もとられるのには閉口する。園内には石碑や山肌に彫り込まれた字、それと日本に渡航しようとして失敗し、海南島へ難破、その後、ここ陽朔にも寄った鑑真ゆかりの場所らしく記念館があった。


山水園から眺める漓江[左] 桂林山水甲天下の石碑[右]

 写真を撮ったりしてぶらぶらしたが、寒くてかなわない。歩いて洋人街に戻り、炒飯で昼食にした。


炒飯[左] 整備された洋人街付近の水路[右]

 昼食を終えてぶらぶらしながらホテルの方に向かう。洋人街の付近はきれいに整備されているのだが、かえって人工的かつ無機質でなじめない雰囲気だ。最近の中国の観光地にはこういうところが多い気がする。
 その後、ホテル近くのネットカフェでぶらぶらしたが、はっきり言って寒いし、小雨も降るので再度観光という気にはなれない。天気がよければ、サイクリングでもしてゆっくり過ごすのがいいのだろう。実際に朝ホテルを後にするときに自転車はいるかとレンタルを勧められた。ここは欧米人が好む滞在型の観光地という感じで、必ずしも観光スポットを回るような場所ではないのかもしれない。いずれにしても、もう、いいやという気分になり、ホテルに戻り、荷物を受け取ってバスターミナルへ向かうことにした。ホテルの服務員は気を利かせて、桂林に行くならこっちよと教えてくれるのだが、自分としては反対方向のバスターミナルへ行って直達車に乗りたかったので、バスターミナルに行きたいんだと告げてバイタクを待った。が、来そうもないので結局歩いてバスターミナルへ向かった。
 桂林行き直達車(ノンストップ)は頻繁に出ていて便利なもんだ。難なくチケットを購入して桂林へ向かった。こうして三たび桂林へ戻ったのだった。
 桂林バスターミナル近くでタクシーを拾って、別のホテルに泊まってみようと台聯酒店と運転手に告げた。この運転手のおばちゃんも別のホテルを勧めるが、台聯酒店に行ってもらう。予約はあるのかというので、ないというと、じゃあ紹介してやるからタクシー代はいいよということになった。客を連れてこればそれなりの報酬がもらえるということなのだろう。このおばちゃん運転手、元気一杯のおばちゃんといった感じでなかなかおもしろかった。それにしても桂林は女性運転手が多い気がした。
 で決めた台聯酒店。一泊300元だが今ひとつの感がした。というのも暖房が入る時間が限られているのだ。夜は9時からで、朝の8時頃には止まったと思う。確かに気密性もよい建物だから、暖房をつけなくても16度くらいはあって過ごせないことはないのだが、さすがにちょっと…。ちなみに名前からも分かるとおり台湾資本のホテルだ。まあ、服務員の態度はよく教育されているなと言う感じで悪くはなかったのだが。
 時間的にはまだ遅くないので航空券を買うために外出することにした。ホテル内に旅行社はないようだったので(実はあったのだが)外に出て探すことにした。日本では街を当てずっぽうに歩いても航空券販売所など見つけるのは困難だが、中国ではそうでもない。実際数百メートル歩いたホテル(名前失念。桂林飯店か?)の入り口横に見つけ入ってみた。
 値段を聞くと夜遅くの便などを除けば、広州まですべて660元+50元(空港建設費)。要するに基本的にノーマルチケットしかないようだ。そこで2日後である、1/1の午前の便を予約することにした。広州にしたのは深圳をうろうろするのがいやなのと、広州新空港がどんなであるか興味があったからだ。
 航空券を購入後、夕食を食べることにする。洋食が食いたい。この前泊まった環球大酒店の横に洋食屋があったのでタクシーで向かい、スープ(名前失念)とサーロインステーキを注文した。でもやはり失敗だったか…。


スープとサーロインステーキ

 この後、デパートに行って食料品を買ったりした後にホテルに戻った。とにかく街を歩くのは寒くてつらいのだが、結構人通りがあるのだった。
 ホテルに戻っても暖房が入っていなかった。9時少し前になってやっと暖房が入りやれやれだ。こうして一日を終えた。