2004年12月26日 

三江へ

 朝起きてチェックアウトし、タクシーで長距離バスターミナルへ向かった。運転手のおばちゃんといろいろと会話する。是非先に龍勝に行きなさいとアドバイスを受け、龍勝の観光案内パンフレットをもらった。
 バスターミナルへ行くと既に三江行きは午後しかなく、龍勝行きなら頻繁に出ていることがわかった。近くの食堂で水餃を朝食として食べる。麺類(ここではヌードルの意味。というのも桂林名物のビーフンを食べている人が多い。)を食べている人が多いため、水餃なんていうとなかなか出てこなくて失敗だった。


水餃

 食後チケット売り場に向かい龍勝までのチケットを購入した。後でわかったことだが龍勝までのノンストップバスで空調付き。ミネラルウオーターのサービスもあった。バスは数分遅れて出発し、最初は吐く息も白かった室内も暖まってきた。バスは都市を抜けて農村をひたすら走る。龍勝は棚田が有名だが、至る所に棚田が見られる。こうして2時間弱で龍勝のバスターミナルに到着した。途中道路状況もよくスムーズに事は運んだ。
 三江に行く前に銀水侗寨へ寄ることにした。バスターミナルのある県城から数キロのようだったので三輪バイタクを捕まえて向かった。
 ガイドブックに載っている写真そのものの木造の建物が入り口前から見ることが出来る。写真で見るより実物は小さい感じがする。一応観光地になっていて入場券を売る建物もあるが、観光客はおらず閑散としていた。


正面の建物 トン(侗)族独特の木造建築

 50元と書いてあり、高いなあと思いつつ50元を出す。すると窓口のおばさんに民族舞踊のパフォーマンスはないけどいいか聞かれた。別にかまわないと答えると、舞踊がないから20元だと言うことになった。後からわかったのだが、団体客がバスで到着するとそれに併せてパフォーマンスをしているようであった。まあ、観光客相手のパフォーマンスなんて興味はないのだが。
 荷物を預かってくれないか尋ねたのだが、留守にすることもあるから駄目だと断られる。仕方がないので全て荷物を抱えて奥の階段を上った。
 登り切ったところに鼓楼?のような建物と滝があった。


滝[左]と建物[右]

 一通り見終わり出ようとすると、ちょうどツアー客がバスでやってきたところだった。出口で窓口のおばさんに、「これからパフォーマンスをやるけど見ない?」と聞かれたが、要らないと言って外に出た。
 ここは三江などの方向から来るバスが来るし、一応県城だからか路線バスもあるようだ。結局路線バスを捕まえて街の中心まで戻った。
 おなかも空いたことなので食堂に入って炒飯を食べる。田舎なので蛋(卵)炒飯しかないようだったが、素朴な味でそれなりに行けた。


素朴な蛋炒飯

 デジカメで写真を撮っていると店のおばちゃんたちが寄ってきた。いろいろたわいもないことを話す。するとおばちゃんが蜜柑をくれた。中国語でなんと言うんだ?と聞くとドンズだと教えてくれる。おそらく橙子と書くんだろうと漢字を当てはめた。(家に帰って調べるとこの漢字だとチョンズですねえ。漢字は聞かなかったんだですが聞き間違えたか…。)勘定を済ませて立ち去ろうとするともう一個ミカンをくれた。
 バスターミナルに戻り、棚田へ行くことも考えたが、帰りでもいいかと思い直し三江までのバスのチケットを買った。桂林-龍勝間が90km程度で保険料を含めて20元。三江までのバスは10元だったので近いのかなと考えていたが大きな間違いだった。バスに乗り込む。ところが13:10発のこのバス、一向に発車する気配がない。どうやら客が集まるのを待っているようだ。結局バスが出発したのは14時だった。
 道路は一転舗装されていない工事ダートのような所ばかり。山道で曲がりくねっている上にドロドロのダートだから、ノロノロしか進むことが出来ないのだ。バスから見えた小学校には「国家貧窮対策重点地域」みたいな(正確な文面は失念)看板が掲げられている。ここは経済的には貧しい農村なのだ。結局60kmあまりの距離を3時間ほどかかって三江に到着した。ガイドブックに書いてある時間の約2倍の所要時間だ。ただ、道路工事中のようでもあったので、そのうち改善されるのではないだろうか。終点間近で、後ろに座ったおっさんにコートを汚されたりさんざんなバスの旅だった。バスを降りると親父が謝ってきた。今更どうしようもないので放免にする。
 カリカリ来ていたのでバイタクに乗って、三江県城でもっともランクが高い宿である県人民政府招待所に向かう。フロントへ行くと中が薄暗い。何でも停電とのこと。後からわかったことだが、一日に一回一時間程度の停電があるらしい。このホテルにはエレベータもあったが乗っているときに停電になったらたまったものではない。もっとも、この街でエレベータはこの宿以外にはないかもしれないが。
 で、宿泊費を尋ね負けてくれるようにお願いすると、168元の部屋が140元になった。ちなみに、下から2つめのランクの部屋で、一番下だとテレビとシャワーとエアコンだが、自分が泊まった部屋はさらに浴槽がついてくる。
 電気が停まっているので荷物を持って階段を上がる羽目になる。部屋は予想以上に綺麗だった。後から聞いた話では2,3年前に改装されたばかりだとのこと。壁は真っ白で明るい感じ。桂林で泊まった三星の航空大厦よりよっぽど綺麗なくらいだ。実際、設備なども三星クラスと言ってよいものだった。特に部屋から長距離電話がかけられるのには驚いた。一般的に中国の田舎の宿や二星以下では、外線、特に長距離ははかけられないことが多い。まあ、あえて難を言えばクレジットカード決済や両替が出来れば申し分ないのだが、この町は中国銀行さえないような田舎なのだからそれも仕方がないだろう。しばらくくつろいでいると電気が来た。エアコンも正常に動くことを確認。カードを差し込むスイッチに厚紙を差し込んで通電状態にしてエアコンをつけ、部屋を後にした。といっても辺りはすっかり真っ暗。田舎だから暗いと言ったら本当に暗い。結局ホテル内の食堂で夕食をすませることにした。ここはホテルに併設されているが、暖房はなく、食堂という言葉がふさわしい場所だった。


スープ(紫菜蛋花湯)と回鍋肉

 スープが結構気に入って名前を書いてもらったのだが、くずした字で読めない…。で帰国語、中国人に解読してもらったところ紫菜蛋花湯と言うそうです。