02/8/1(木)

 太原から平遙へ

 列車はほぼ定刻に終点の太原駅へ到着した。


朝の太原駅

 太原は山西省の省都である。だからか、結構大都市に見えた。まあ、これまで田舎町ばかりだったので余計にそう感じるのかもしれない。少なくとも内蒙古自治区の区都フフホトよりは大きいと感じた。まず、駅のチケット売り場で9時過ぎの平遙までの切符を買いにチケット売り場へ向かった。難なく硬座の座席を確保出来た。
 駅を出て歩くと早速タクシーの運転手が近づいてくる。三晋国際飯店というと、「予約で一杯だ。○○賓館はどうか?」という。全く取り合わずに三晋国際飯店へ行かせた。案の定、空き部屋はあった。三晋国際飯店は格付けでは4つ星と言うことになっている。しかし、クレジットカードは使えたが外貨の両替は出来なかった。
 早速チェックインし荷物を置いて中国銀行へ向かうことにした。両替するためだ。ガイドブックによると8時からやっている。歩いて銀行へ向かう。しかし建物も大きく広大な感じがする街だ。15分歩いただろうか中国銀行へ到着した。ちょうど窓口が開く時間だった。まずATMはあるのかと聞くとないという。正確には停止中の国内専用のがあるようだった。しかし、ここにないならおそらく山西省のどこにもないんだろう。北京や上海なら腐るほどあるのに。
 仕方がないので窓口へ向かう。ただ、まだ相場が決まっていないため両替出来ないと言う。前で待っていると窓口の女性はどっかに行ってしまった。困ってさっき窓口まで案内してくれた案内係の女性に聞くと「(窓口の女性)どこいっちゃったの?」と心配してくれる。隣の窓口では後から来た親父が米ドルを両替始めた。結局彼女は別の窓口へ案内してくれ、8:15には無事人民元を手にすることが出来た。列車の出発まで1時間あるし、何とか間に合った感じ。しかし、最悪の態度の消えた窓口服務員と親切な案内係の服務員。同じ中国銀行でなぜこんなに違うのか。同じ評定しかされてなかったら不公平な話だ。
 駅に戻り駅の食堂で朝食を食べた。


朝飯

 発車時間間近になったので食堂を後にした。既に列車への案内が始まっていた。列車は硬座ながら空調付きの2階建て車輌だった。車内では一緒になった現地の人や、大学生たちと話した。やっぱり硬座の人の方がざっくばらんで話しやすい。こうして1時間半あまりで平遙へ到着した。平遙につくと三輪車の客引きがやってきた。一台をチャーターして観光地巡りをすることにした。城内は道も狭くバスはもちろんタクシーなんて走れない。三輪車が庶民の足になっている。街中至る所に博物館がある。いくつか入ったがあまりかわりばえがせず飽きてきた。平遙は街並みを見るのが一番だと思う。


城内こんな感じ

 そして何と言っても平遙で魅力的なのはやっぱりその城壁。ここら辺が世界文化遺産たる由縁だろう。


平遙の城壁

 一通り城内を見た後、三輪車の運転手が「双林寺へ行くか?」という。しかし車は人力三輪車。「遠いけどいけるのか?」と聞くと大丈夫だという。そこでお願いすることにした。親父は場外へ出るとひもを引っ張ってエンジンをかけた。そう、れっきとしたハイブリッド車なのだ。「この方がちょっと速い。」と親父はつぶやいた。しかし、それでも人が全速力で走る速さより遅かったのだが。三輪車の解説は以下の通り(画像をクリックしてみてください。)

三輪車の解説

 こうしてとろとろ走りながら6kmほど離れた双林寺に到着した。ガイドブックによれば双林寺も1500年以上の歴史を持つ古い寺なのだが、中国では当たり前のようにたくさんあるのでありふれている気もする。


双林寺

 この後、親父に駅まで送ってもらった。35元を払って別れたが、結局帰りの切符の変更を手伝ってくれたり、すぐ近くの飯屋までこいで連れて行ってくれた。しかし、汗だくになりながらペダルを漕いでくれたのに35元(500円)とはちょっと悪い気すらした。


田舎としては立派な食堂で肉絲炒飯を食べた

 駅に戻り列車に乗って帰った。列車は慢車という各駅停車。90kmの距離に2時間20分もかかる。しかも途中駅からだから無座。でも逆に空いていてそれは良かったが、やっぱり乗客はちと怪しい感じ。


初めての慢車 平遙駅へ入線[左]     太原駅で[右]


怪しい雰囲気の硬座室内

 こうしてちんたらちんたら各駅に停車しながら太原に戻った。ホテルに戻り一階の旅行センターで明日の北京行きの航空券を購入した。難なく航空券を手に入れることが出来た。
 そして太原駅の辺りまで出て食事をした。最初に頼んだ水煮肉片があまりにも辛かったので食べるのを諦めて過油肉を頼んだ。実はこの時食べた物が後の悲劇につながったのではないかと思っているのだが。


激辛の水煮肉片(奥) 三鮮湯(手前)[左] 新たに頼んだメニュー(過油肉)[右]

 この後、ホテルに戻って1日を終えた。しかし、この夜不幸が襲うことになろうとはまだ知らなかった。