00/6/25(日)

北京首都空港で野垂死か?

 今回の旅行は、特別休暇を利用しての一週間の北京、天津への旅である。北京は初めてだし中国語も勉強し始めて7-8ヶ月。不安もあるが楽しい旅になりそうだ。今回はマイレージの関係で成田空港からのノースウエスト航空利用だ。実は成田空港ははじめてだ。とりあえず新幹線を利用して東京へ向かい、日暮里から京成スカイライナーで成田空港へ向かう。
 利用する便はNW11成田18:25発北京行き。しかし旅行社のカウンターへ行くといきなり

「この便は現在の時点での出発予定時刻が19:55です。今後も搭乗ゲートや出発時刻が変更になる可能性がありますのでご注意ください。」

とのこと。最初からついていない…。しかし、これはこれから起こる不幸の始まりに過ぎなかった…。
 入国審査をすませ廊下を歩いていくとレストランがあった。メニューを見てびっくり。餃子の英語訳が"Japanese dumpling"でラーメンが"Chinese soup noodles"だって…。それってちょっと変ではないかい?
 搭乗ゲート前で座り込んでぼーっと待っていると4歳ぐらいの男の子が「ママ」と言って泣きじゃくっている。するとアジア系アメリカ人?(きれいな英語を話していた。)の若い女性が英語で

「大丈夫よ。あなたは、日本人?アメリカ人?中国人?」

と尋ねている。しかし男の子は言葉が通じないのか泣きじゃくるばかり。男の子を連れて係員とも話して相談しているようだった。男の子が日本人かもしれないので、(係員はノースのパイロットのようで日本人ではなかった。)彼らのところへ行って日本語で話し掛けようかと思っていると、母親が見つかったようだった。正直言って躊躇して手を貸してあげられなかったという気持ちと、その若い女性の親切心が深く印象に残った。しかし、一番悪いのは母親だと思うが…。その女性の親切に気が付かなかったらしく、礼も言わずに子供を連れてどこかへ行ってしまった。


成田空港の搭乗口付近

満員電車のようにごった返していた。もちろん椅子も全く足りない。こんなひどい空港は日本以外も含めて初めてだった。

 こうして3時間以上時間を潰しやっとのことで乗り込む。いんちきアップグレードなシルバーエリート会員なので、先に搭乗させて貰う。飛行機が遅れたのは、天候不良のためニューヨークからの接続便が遅れ、北京便への接続客91人を待っているためということである。飛行機に乗り込んだものの離陸せず、機内で30分以上待たされた。結局飛行機が離陸できたのは20:30ごろだったと思う。当初の予定より2時間ほど遅れてである。


機内食はこんなかんじ。NWとしては可もなく不可もなく

 離陸して2時間ぐらい経っただろうか。放送が入り医者はいないかという。どうやら乗客で気分が悪い人が出たらしい。スチュワデスも酸素マスクを持って走り回っているところを見るとかなりの重症らしい。
 そうこうしているうちに北京空港へ着陸した。着陸すると病人の周りの乗客から歓声と拍手が沸き起こった。案内があり、レスキュー隊が処置をして患者を運び出すまでそのまま席で待てとの指示。停機して5分ぐらいでレスキュー隊が乗り込んできた。しかし、治療が終わりそうもない。結局10分ほどしたところでまだ処置に時間がかかるからと残りの乗客は降ろされた。

 入国審査を済ませ銀行を探して駆け寄るも、係員は閉店したと引き上げていってしまった。時間は23:20ごろだったと思う。(後から知ったのだが閉店時間は23:30国営なので全くやる気がない。)これには参った。何しろ人民元を全く持っていないのである。インフォメーションへ行って尋ねてみても彼女も困るばかり。そうこうしているとタクシーの客引きが寄ってくる。「現在没有人民幣!(今人民元は持っていない!)」と叫んでみても俺が交換してやるとか言ってくる…。完全なカモだ…。彼らには僕がカモが葱しょってやってきたとしか思っていない。ATMを見つけたのでおろそうとすると”しばらくお待ちください。”の表示のままで壊れているようだった。
 客引きの一人が上にもあると教えてくれたので上へ行くと確かに2台のATMがある。自分のCiticardが使用できることを確認し、カードを入れるとふざけたことにすべて中国語表示である。すると今度は暗証番号が違いますという表示。はあ?と同じ事を3回繰り返しても駄目。これも壊れていらしい。隣のATMだけは正常で、何とかカードで人民元をおろすことが出来た。しかし、壊れた機械にカードを吸い込まれなくてよかった…。
 そうすると恩を着せてさっきの客引きがタクシーに乗らないか?と聞いてくる。値段を聞くと400元(5000円)ぐらいだという。相場の3倍以上だ。いらんと答え下のタクシー乗り場に向かった。タクシー乗り場へ行くと運転手が降りて来て誘う。

「到京都苑賓館 大概要多少銭?(京都苑賓館までだいたいいくらですか?)」

と聞くと130元に高速代20元だという。深夜だし、まあ、めちゃくちゃ高くはないということでこの運転手に決めホテルへ向かった(持っていたガイドブックによると昼間で100元が相場。深夜は2割だったか高い。)。中国語が全く出来ないと知られるとぼったくられる気がしたのでできるだけ多くのことを中国語で話すようにした。
 建国門の近くまで来るとなぜかスラムのような暗い街へ入っていく。ひょっとして追いはぎか?なんといういやな予想も脳裏を掠めたが、結局、運転手はこのホテルが建国門の近くであることしか知らず地元の人に聞いているのであった。実際このホテルは表通りからはまずわからない構造になっていた。つまりある建物が大通り(建国門外大街)から見ると、人民代表大会常務委員会の政府組織の建物にしか見えないのだ。しかし、別のほう(南)にも入り口があってホテルとなっている。政府組織とホテルが一つの建物に入っているのである。

 到着し、200元渡す。するとおつりを10元単位で返しチップを要求する。もう疲れていて1分でも早く床につきたかったので20元(240円)をチップとして渡して降りてしまった。

 そして、チェックインを済ませ両替して床についたのは1:00(日本時間の2:00)をまわっていた。さんざんな一日だったがおかげで後に起こった問題がすべて些細なことに見えてしまった。