2005年5月3日 

ウィーンへ

 連休も終盤にさしかかる5/3が私の旅行の始まりだ。もともと私の会社では5/8までが休みと、連休が後ろにずれている。5/9まで休めばそれなりのヨーロッパ旅行もできそうだと踏んだのだった。というのも、5/2まで出発と5/3以降出発では航空券の価格に数万円ほどの差が出てくるのだ。数万円あれば中国に1回行けると老百姓(庶民)のkenは考えてしまうタイプである。
 で、購入した航空券はANAのPEX(運行はオーストリア航空)、ゴールデンにウイークでも11万円台の価格は魅力だった。正直アジア行きと大して変わらない値段ではないだろうか。行きは中部空港発成田乗り継ぎでウィーンへ向かう。
 実はこれが初めての中部国際空港だ。まだまだ真新しい。ANAの成田便は国内線扱いなので(JALは国際線扱い)、国内線カウンターに並んでいると、成田便専用のカウンターを見つけてあわてて並び直す。しかし、朝7:20発というのは、かなりハードな時間である。


中部国際空港

 程なくして搭乗が始まり、定刻通りに離陸。途中雲の上に頭を突き出した富士山を眺めることができた。


空から眺める富士山

 定刻通り成田に到着。陸路で行けばかなり時間がかかるが、飛行機ならすぐである。成田空港でチェックインを済ませて搭乗口へ向かう。もともと2時間ほど前に到着だから、そう長く待つこともなく搭乗が始まった。
 搭乗して驚いたのは機内のカラーリング。赤づくしなのだ。特にスッチーは赤のジャケットに赤のスカートでさしずめサンタクロースである。トドメはタイツまで赤いって、どういう色彩感覚してるんねん!と突っ込みたくなる機内だった。
 ウィーンまでの所要時間は12時間先は長いのである。いつもの事ながらヨーロッパ方面(といってもフランクフルト経由でストックホルム出張とイスタンブール(正確にはアジア)しか行ったこと無いのだが。)は行きが本当に長く感じられる。帰りは実際若干所用時間が短いのと、疲れていて寝てしまうのでそれほど長いと感じないのだった。
 しばらくして食事が出てくる。


機内食

 機内食を撮影するためにおもむろにデジカメを取り出すと、隣に座っている兄ちゃんも同じくデジカメを取り出し、撮影を始めた。「うーむ、でっ、できる…。」端から見れば似たもの同士だったかもしれない。このにーちゃん、年は若そうだが、ずーっとカフカの「変身」を読んでいた。なかなかの文学青年なのか、それともプラハにでも行くからだろうか。人見知りの激しい私は結局最後に一言「疲れましたね」と声を交わしただけだったのだが…。
 暇と言ったら暇。ザウルスに映画を入れておいたので鑑賞することにした。
 一つめ、「こころの湯」中国映画だ。大地の子で養父を熱演をした朱旭がやはり父親役で出てくる。北京胡同の大衆浴場を舞台にした映画。なかなかいい感じだった。
 二つめ「世界の中心で愛をさけぶ」。ミスチョイス!おやじ泣かせの映画を、みんなが見ている周りで見てどうするんだ?でも、それなりに感動…。どうも病気ものの話は苦手というか、ダメです。1人で見るに限ります。

 さらに寝たり音楽を聴いたりして時間をつぶす。途中軽食というかおやつとしてチキンラーメンを食べた。さらに到着2時間前に再度軽食が出てきた。動かないのに食べ続けているわけである。


2度目の食事

 こうして現地時間の15半頃にウィーン空港へ着陸した。ちなみに日本時間だと22時半と言うことになる。そんなに大きな空港ではないようだ。手荷物は全て持っていたので、パスポートコントロールを抜けてそのまま出口へ向かう。ATMを探して100ユーロほど下ろすことにした。
 さて、ホテルに向かうわけだがどうしよう。ウィーン南駅近くのホテルが取ってある。これは明日早朝にプラハ行きの列車に乗るためである。ウィーン南駅にはバスがあるのだが、チケット売り場が見つからないし、高額紙幣しか持ってない。いいや、国鉄で行こうとエレベータで地下駅へ向かった。
 国鉄の切符はキャッシュカードでも購入ができる。自動販売機近くには係員がいて、使い方を教えてくれた。ウィーン市内まで3ユーロ。バスの半額、CAT(空港特急)の1/4だったりする。途中Renwegで降り、逆方向の列車に乗り換える。こうして無事にウィーン南駅に到着。
 ここでやるべき事が一つある。明日の切符を買わなくてはいけないのだ。窓口に向かい、念のため紙に書いて口頭と併せて告げる。すると問題なくプラハまでの切符を手に入れた。しかし、予約が入ってない。自由席なのだ。多少気にはなったが、まあよしとする(実際全く問題がなかった。ここは中国とは違うのである。)。
 後はホテルに行って一休み。今日は本当に長い1日だった。いい加減ゆっくりしたい。雨が降りはじめていた。ホテルはすぐに見つかる。やった、本当に近い。これなら明日は楽勝だとホテルに入り、ヴァウチャーを渡した。
 ホテルマンは開口一番「英語は分かるか?」と一言。それに続いて信じられない内容を話し始めた。「あなたにとっていい話か悪い話か分からないが、オーバーブッキングで部屋はない。心配はいらない。5星ホテルのDe Franceを確保してある。アップグレードだ。」悪いが、仮によいホテルだとしてもとても喜ぶ気にはなれない。明日の朝6:08発のプラハ行きに乗るために、わざわざウィーン南駅近くのホテルを予約したのだ。しかし、部屋はないわけで埒があかない。結局ホテルが用意したタクシーで新たなホテルへ向かう。車はメルセデスのSクラス。マニュアルというのがいかにもヨーロッパである。しかし、この運転手英語がほとんどできないのはともかく、運転が乱暴だ。雨で滑りやすいとはいえ、思いっきりABSが作動するようなブレーキングをしてくれた…。平日の夕方で道路は大変な混雑。ホテルマンは10分だと言ったが結局1時間以上かかった。そして着いたDe France、正直あまりよいクラスのホテルとは思えなかった。まあ、バスタブはついていたが。

 結局近くでパンなどを買い込み、早々に寝てしまった。現地時間では夕方でも、日本時間なら深夜だから無理もない。