今日の夜の分は既に日本で予約を取ってあった。龍門賓館。上海駅のすぐ隣のホテルだ。ホテルをチェックアウトしてまず近くのカフェテリア式の食堂に入った。小籠包を食べてなかったので、海老入りのを頼んだ。
上海と言えば小籠包なので朝食として食べた
著食の後、すぐに龍門賓館へ向かった。地下鉄で向かったのだが、上海駅前は広い。地下鉄の駅は火車駅の東、龍門賓館は駅の西なのでたっぷり荷物を持って歩く事になった。
時間が早かったのでチェックインできるか不安だったが、あっさりする事が出来た。荷物を置き、一休みする意味でパソコンの接続を試みたが、接続料込みのプロバイダは、このホテルから発信できないようだった。
ホテルを後にし、観光地はあまりに人で一杯である事にうんざりしていたので、発想を変えて観光する事にした。僕の母校は、魯迅とゆかりが深い。彼が現在の医学部で医学を学んだ事で知られ、仙台時代の話を「藤野先生」という本として残している。実際、キャンパスには彼の銅像が建っていたし、江沢民が来日した折にも寄ったと聞いた.。どうでもいいが、この魯迅は上海に埋葬されているとガイドブックにも書いてあるため魯迅公園へ行く事にした。魯迅公園には、新しく出来た高架鉄道の明珠線の虹口体育場からすぐのようなので、これに乗ることにした。
駅を降りると大きな体育場があった。どうやらサッカースタジアムのようだった。地図に従って探すと魯迅公園は簡単に見つかった。何の変哲もない普通の公園であるが、探すと魯迅の墓が見つかった。
魯迅の銅像と墓 魯迅先生の墓とは毛沢東の筆らしい
公園は多くの人でにぎわい、市民の憩いの場のようであったが、魯迅に関心がある人は少なくそんなに人はいなかった。さらに、公園内に魯迅紀念館があったので、ここに行って見る事にした。かなり立派な博物館だった。
立派な魯迅紀念館
ここは中もきれいに展示されていてなかなか面白かった。何よりも人で一杯という事が無くてよかった。この博物館は魯迅に関する物品が多く陳列されていて、彼が日本ともかかわりが大きかった事がよくわかった。また、一階では日本のポスター展が行われていた。博物館の建設に際しても、多くの寄付が日本から送られているようで、寄付機関名が壁に記されていた。
ついつい展示に見入ってしまい、気が付くと昼を過ぎていた。このため、紀念館、そして公園を後にし、近くの食堂で昼食を取った.。
昼飯の炒飯
この後、バスと明珠線を乗り継いで、今度は宋慶齢陵園へ向かう事にした。バスで中山公園まで向かい、そこから明珠線に乗り換えた。この辺りは郊外になるため、道も区画も広くて歩くのが大変だ。
最も新しい明珠線はすべて高架の鉄道だ
虹橋路站で降りるが、地図によると1km以上ある。バスもあまり使えないようだが、一駅だけ乗った。歩く距離が500mぐらい短くなった感じ。
宋慶齢陵園は公園のように整備されたこじんまりとした一角だ。ちなみに宋慶齢とは宋家の三姉妹として映画などにもなっているので非常に有名な三姉妹の長女だ。彼女は国を愛し孫文の妻として、そして中華人民共和国の名誉主席として有名だ。ちなみに次女藹齢は金を愛し、三女美齢は蒋介石の妻で権力を愛したのだが。いずれにしても近代中国の歴史に翻弄された三姉妹だ.。
陵園の一角に彼女や両親の墓があった。
宋慶齢の墓 右の墓標には名誉主席宋慶同志の文字
敷地の中には博物館もあって彼女の波乱の足跡をたどる事が出来る。彼女が日本で孫文と結婚したときの契約書なんてもあった。ここもまた人が少なくて居心地が良かった。
こうして、バスでホテルまで戻り一休みする事にした。
この後夕食を食べに雲南路美食街へ向かった。迷った挙句一つの店に入った。三品注文したのだが、二品目が待てど暮らせど出てこない。小姐に催促してもちょっと待ってというばかり。結局、お腹も一杯になってきてしまい。「還没来的菜 我要取消。」と書いて小姐に渡してあきらめた。(自分の中国語が下手なのを棚に上げて言うと、なぜか、上海では自分の普通話を聞き取ってもらえなかった事が結構あったので。)一時間以上経っていたからさすがにがまんの限界だ。
かろうじて出てきたスープと料理。そして上海で幅を利かせる三得利(サントリー)ビール
こうして、上海の予定を終えた。明日はいよいよ日本へ帰国する日だ。
龍門賓館をチェックアウトし、荷物もあるのでタクシーで空港へ向かう事にした。虹橋机場は古い方の国際空港だが、街からははっきり言ってアクセスが悪い。こうして無事、空港へ到着した。
何か食べようかとレストランを覗くも、なんか日本人ばかりなのか、日本人向けの料理ばかり。しかも値段は日本よりも高いときたもんだった。一気に食べる気が失せ、荷物検査を受けてカウンターの前に並んだ。ところが、これがよくなくて、2時間前にならないとチェックインが始まらないのは仕方がないとして、一旦入ってしまうと逆行できないようだった。ところが、この一角トイレはあるものの、店など何もなかった。しかも、チェックインしてないわけだから、出境手続きをする事も出来ず、ボーっとすごすしかなかった。
待つ事一時間あまり。ようやくチェックインが出来、中にあるスタンドでカレーライスを食べた。どうやらレトルトらしく日本の味だ…。飛行場内も日本人が多くいたるところから日本語が聞こえてきた。
帰国便も中国国際航空。相性が悪いのでまた遅延かなとも思ったが、今回は定時に飛行機がやってきた。4回目にして初めての定時運行だった。
機内食は以下の通り。
機内食
こうして日本に到着し今回の旅行を終えた。はっきり言って、やはり中国の黄金周は相当な混雑なので出来れば避けた方がいいなと思った。今回、特に上海はあまりまわる事が出来なかった。蘇州にも行けなかったし、上海からだと黄山があるからまた、これらをまとめて一度訪れたいものだ。
今回の旅行では南京が特に印象に残った。これは南ドンさんのおかげでもあるのだが、文化都市でもあり、古都でもある南京はお勧めの場所でもある。もちろん南京大虐殺という悲劇起こった場所でもあるのだが…。