PayPay祭が終了した。結局たった10日間での終了となった。
今回の祭で気になったことをいくつか。
PayPayはいわゆるスマホQRコード決済で、お隣の中国で普及したことで有名だ。実際販売店は、PayPayを導入すれば、ソフトバンクと関係が深い中国Alipay客も受け入れできるようだ。つまり、PayPayを導入した販売店には日本人のPayPay客、中国人のAlipay客の両方を取り込めるというメリットが有る。今の御時世だと、中国Alipay客のインバウンド需要のほうが重要なのかもしれない。
祭が終わると、日本人にとってPayPayは0.5%の還元率しかない決済方法になってしまう。今回PayPay祭で舞台となったのは大手家電量販店が中心で、これらは既にクレジットカードや、一部はFeliCa電子マネーが使えるのだから、還元率が低いPayPayを使い続けるモチベーションが起こらない気がする。どう考えてもいちいちスマホでバーコード表示は面倒だ。
加えてPayPayの還元のやり方も利用者には使いにくい。還元され、PayPayの残高が2万円となったとしても、2.1万円の決済にPayPayを使うと、全額クレジットカード等から落ちてしまう構造で、残高は1円も使用されない。しかもPayPay加盟店でしか使えないのだから、他の決済方法と併用不可能な、ポイント還元だと考えたほうがよい。しかし今時ポイントとクレジットカードの両方を同時に使えないポイントのほうが珍しい気がするから相当に使い勝手が悪いと言える。
そもそも、QRコード決済の需要は、FeliCa電子マネーやクレジットカードの導入を躊躇するような個人経営店のようなところで広まるとよい決済方法だと思う。現金かPayPayでお願いしますと言われれば、PayPayを使おうという人はそこそこいるかも知れない。しかしそのためには、クレジットカードを被せたQRコード決済ではどうしても手数料が大きくなってしまい効率が悪い。中国で普及したような銀行口座直結で支払われる方式でないと、被せているクレジットカードの手数料が足かせとなる気がする。
日本の銀行はATM維持費用が大変で、近い将来多額のATM使用量が課される時代が来るかもしれず、そうなればキャッシュレス決済が有利となる時代も到来となる気がする。