日本自動車メーカーの内外安全装備差(エアバッグ数)


今日はエープリールフールだが、真面目な話。ここを読んで、日本自動車メーカーの海外販売車は仕向地別に安全装備の充実度合いが異なっていて、たとえ同じ車名でも、仕向地別に今だに安全性に差異(特に日本国内向けは安全性が低い)があることを知った。

「今だに」とは、かつて同一車名でも米国輸出仕様の日本車には側面衝突に有効なサイドインパクトビームが装備されているが、日本向けには装備されていない事が報道され、随分世間を賑わせたことがあった。かれこれ30年も前のことだと思う。その報道後、しばらく後の日本の日本車カタログにサイドインパクトビーム搭載が強調される笑えない事態となったのも覚えている。

しかし今だに日本車メーカーの体質は変わらないようで、参考までにエアバッグ数を同一車名仕向地別に調べてみた。できるだけグローバルカーを選択したつもり。数に幅があるのは、グレードやメーカーオプション(日本のみ)になっていてエアバッグ搭載数が変わることを意味している。また「-」は当該国で販売されていない車種だ。

メーカー 車名 日本 米国 英国 中国
トヨタ ヴィッツ(Yaris) 2-6 9 7 4
C-HR 6 10 7
プリウス 6 9 7
カムリ 7 10 10
ホンダ フィット(Jazz) 2-6 6 6 2-4
ヴェゼル(HR-V) 2-6 6 6 4-6
シビック ハッチバック 6 6 6 2-6
アコード 6 8 4-6
日産 マーチ 2-4 2
ノート 2-4 6
ジューク 2-6 6
エクストレイル 2-6 不明 4-6
シルフィ(SENTRA) 2-6 6 2-6
ティアナ 6 6
リーフ 6 6 6
スカイライン(Q50) 6 6 6 6
マツダ デミオ(Mazda 2) 6
CX-3 6 6 6 6
アクセラ(Mazda 3) 6 6 6 4-6
CX-5 6 6 6 6
アテンザ(Mazda 6) 6 6 6 6
スバル インプレッサ スポーツ 7 7 8
XV(Crosstrek) 7 7 8 7
レヴォーグ 7 8
レガシーB4 7 8 7

(1)トヨタ

米国向けが最も手厚く装備されていることがわかる。まあ、トヨタにとって米国は最重要市場なのだろう。一方で日本向けは全ての車種において最下位(中国以下)もしくはそれに準じる日本の搭乗者は死んでもよいが、米国の搭乗者には死なれては困るのだろう。中国向けの比較できる車種が少ないが、カムリに関しては日本向けよりも中国向けのほうがエアバッグが充実していることがわかる。中国の金持ち(中国でカムリは相当高収入)搭乗者に死なれるのも困るようだ。トヨタは日本を代表する最大手メーカーながら、日本に対する愛国度は最も低いかもしれない。

(2)ホンダ

トヨタと傾向がよく似ている。米国向けが最も手厚い。日本向けはフィットとヴェゼルが冷遇されていることがわかるが、頑張って(高いグレードを選択and/orオプションでつける)他先進国並みに搭載は可能。一方で、フィットとヴェゼルを除けば中国は高価なグレードを選択すれば日本と同程度となり、廉価グレードを選択すると日本より少なくなる。一方、ヴェゼルでは、中国仕様では最廉価グレードにカーテンエアバッグはつかないが、サイドエアバックはつくので、日本仕様より上である。ただ、全般的に日本は低い安全性、中国はさらに低い安全性で十分で、日本向け、中国向けの何れも他国相当の安全性を期待するなら高価なグレードand/orメーカーオプション選択(日本のみ)をと考えている節がある。それでもアコードは到達できないのだが。

(3)日産

日産はグローバルカーが少なく、仕向地向けに異なる車を用意するために、比較が難しく比較車名が増えてしまった。Cセグメント以下は日本は冷遇されている。まあでも日本向けのCセグメントの価格帯(ジューク、エクストレイル、シルフィ)車種はボーダーで、高いグレードもしくはMOPで追金を払えば、他の先進国地域向けと同じエアバッグ数となる。中国向けも同様で、高いグレードを選択すれば、日本以外の先進国向けと同等エアバック数となる。しかし日本の低グレードかつMOPなしと、中国の低グレードを比較すると、日本のほうがエアバック数が少なく、日本は中国より冷遇されていると言える。
参考までに中国ではパソコンを買うかのように、自動車販売店を訪れ、在庫車を買って乗って帰るので、メーカーオプションが存在しない。日産ではリーフはCセグメント以上の扱いだ。

(4)マツダ

基本的に仕向地向けで差異がない。中国向けアクセラのみ例外。なお、他のスバルを除く日系メーカーも同じだが、中国ではローカル自動車メーカーと合弁で生産することになるが、マツダは中国企業2社とそれぞれ合弁企業(長安汽車との合弁+第一汽車との合弁)を設立しており、製造車種により現地メーカーが異なる。例えばアクセラとCX-5は長安汽車との合弁企業が生産、アテンザは第一汽車との合弁企業が生産している。但し、スバルは中国生産をしていないので、日本からの輸入と思われる。

(5)スバル

インプレッサとXVで話題の対歩行者エアバッグはカウントしていない。
トヨタ、ホンダ、日産ほど露骨ではないが、やや差異がある。英国向け全車種と米国のレガシーB4でエアバッグが1個多いが、これは、ニーエアバッグが運転席のみか、助手席にも装備されるかの違いとなっている。
私は最近インプレッサに乗り換えたが、米国向けにはある自動防眩ルームミラーが日本向けインプレッサでは省かれるなど、ポツポツと日本向けの安全装備手抜きが見受けられる。

以上総括すれば、今だに、トヨタ、ホンダ、日産は露骨に低価格帯の車種を中心に、日本向けのエアバッグ装備数は省かれていることがわかる。また、これら3社は中国仕様もほぼ日本仕様と同程度のエアバッグ装着状況であり、これら3社(トヨタ、ホンダ、日産)には日本人の安全意識と中国人の安全意識は同程度と見くびられている。
一方で、マツダとスバルは仕向地向けの差異が比較的小さい(あるいは殆ど無い)事がわかる。また日本と中国以外の先進国地域(米国と英国)では同一車種の最低グレードと最高グレード間でエアバッグ数が異なるケースはなかく、たとえBセグメントの最廉価グレードでも、エアバッグ数は6以上(運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグx2、カーテンエアバッグx2)である。

なぜこんな事になるのか?

安全意識の低い、日本人オーナーは舐められているから。あるいは、日本人は金を出して安全を買うという考え方が欠如している?

日本の衝突試験であるJNCAPの試験項目、試験結果は、結果の差が出ないような試験項目と結果発表の仕方になっている。このためJNCAPの結果を見ても、どの車種がどれだけ安全かわからないのではないか?米国のように試験結果Poorとか結果がはっきりわかる試験内容、表記がされない限り、日本の自動車オーナーは安全性の比較は困難だ。

しかしとどの詰まり、今だに後席はシートベルトをしなくても良いと思っている日本人が多く、装着率も低迷していることを考えれば、さもありなんだと思う。残念ながらとても自動車大国(自動車先進国)の国民意識とは思えない。


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